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頭の中の感想置き場

映画、アニメを中心に感想や想いを綴っていきます

~ロック様の安心安全ディザスタームービー~「カリフォルニア・ダウン」ネタバレレビュー

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作品概要

カリフォルニア州をまたがるサンアンドレアス断層を震源とした超巨大地震に遭遇したレスキューヘリ部隊の男が妻と娘を助けるために奮闘し、妻も娘もまた父の助けを信じて地震の脅威と戦うディザスター大作。出演はドウェイン・ジョンソン、アレクサンドラ・ダダリオ、カーラ・グギーノ、ヨアン・グリフィス、ポール・ジアマッティなど。監督は「センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島」のブラッド・ペイドン。

 

 

点数:3.5点(5.0点満点、0.5刻み)

※ネタバレを含みますので読まれる方はご注意ください

 

 

地震津波が怪獣のように破壊を繰り返す大迫力の映像はさすがの一言だ。またドウェイン・ジョンソンの演技も人間ドラマもなかなかの見ごたえと安定感があって意味でも悪い意味でもとても安定感のあるエンターテイメントだ。

 

やはり目を引くのは迫力のあるディザスター描写だろう。カリフォルニアネバダを巻き込んだ超巨大地震によって大地は真っ二つに裂け、「風立ちぬ」の関東大震災の描写を連想させるように地面が波打ち、津波は全てを飲み込む様は圧巻の一言である。フーバーダムやゴールデンゲートブリッジ、サンフランシスコの坂などの名所や馴染みのある場所もあっけなく破壊されて、民衆は逃げまどい隣にいた人はいつの間にか瓦礫に押しつぶされ炎に焼かれるという容赦ない描写も健在だ。津波の最中でもその容赦なさは更にパワーアップし水中という極限状態が何度も訪れ、見る者をドキドキさせる。やはりこの容赦なさと迫力がなければディザスター映画を見ている気がしない。また3.11を経た世界における地震への危機感や警鐘もしっかりと伝わるものとして十分合格点ではないかと感じた。

 

またそんな災害を目の前にして展開される人間ドラマも迫力ある映像が邪魔にならない程度に見ごたえのあるものとなっている。救助ヘリ部隊に所属する主人公は基地への帰投途中に地震に遭遇し、地震に巻き込まれた元妻と娘を救うべく様々なトラブルや危機によってヘリや車、ボートに乗り換えつつ、極限状態の戦いに挑むことになる。一方、元妻は崩壊しそうなビルの中で主人公の助けを待ち、娘も今の父親によって孤独な状況になりながらもたまたま知り合った兄弟とともに必死で合流地点へと向かう。その過程において再び愛を取り戻そうとする父親と新たな愛の芽生えがシンクロしていく流れとなっている。そして最後は家族も一つにまとまって、娘には彼氏もできてドウェイン・ジョンソンが睨みをきかせてハッピーエンドだ。難し過ぎず説教臭くならないドラマであり、安定が約束されたファミリームービーのようである。

 

だがその安定さが引っかかる部分もある。まず家族の話として成り立たせるために脚本がかなり強引だ。救助ヘリ部隊である主人公がいきなり家族だけを救出しに向かってしまうのにかなり引っかかる。普通ならば他にも救助を待っている人が大勢いるはずなのに「家族を救出しに行く」と言ったドウェイン・ジョンソンを本部は一切咎めないというのはさすがにおかしすぎる。よって主人公がきちんと救助ヘリ部隊らしい活躍するのは冒頭だけなのだが、そのシークエンスも崖下に落下した車からの救出で地震と全く関係ない。せめて巨大地震の兆候である地震によって引き起こされた事故だったとか、救助中にその地震が発生してピンチになるなどもっと地震に絡めることができたはずだ。

 

そう、この映画はドウェイン・ジョンソン主演のファミリームービーとしての色が強いのだ。ディザスタームービーやパニックムービーによくあるようないがみ合いはほとんど出てこないし、一応悪役と呼べるキャラクターはいるのだが大きな主軸であるドラマには関わってこない。必死に高台を目指す娘たちの周囲にはあまり悲惨な状況や命の危険を感じる切迫感を体現する群衆もおらずディザスタームービ―の容赦のなさが薄くなってしまうのだ。また地震研究所の話もあまり関わりがないため群像劇としても薄い。まぁこの手のディザスター映画にはご愛敬で済ませてもいいと思っているのだが、ファミリームービーとの親和性の低さは気になる人にとってはかなりマイナスな部分に感じられるだろう。

 

だがドウェイン・ジョンソンの頼りがいのある体と安定感は素晴らしい。彼の素晴らしい肉体を持ってしても地震という大災害には簡単にはなす術がないためいつもの明快な爽快さは少な目だがやはり彼がいるだけでどこか安心できる(その安心故にディザスタームービーとしてのバランスを崩してしまう部分もあるのだが)。元妻を演じたカーラ・グギーノや娘のアレクサンドラ・ダダリオはさり気なく胸が強調された衣装を着ていてかなりセクシーである。特にアレクサンドラ・ダダリオは走る場面が多いのもあって胸の揺れに目が行って逆に集中できない。これは地震とおっぱいという二つの意味で揺れる映画なのだろう(笑)。他にもものすごい小物ぶりを披露するヨアン・グリフィズ地震の危機を伝える教授役のポール・ジアマッティなども印象的だった。あと劇伴スコア好きとしては重厚なメインテーマがしっかりと感じられ、聴きごたえがあるアンドリュー・ロッキングトンのスコアも素晴らしい。Siaが歌う主題歌「California Dreamin」のアレンジもかっこいいのでサントラはおススメだ。

 

ファミリームービーとの親和性は気になるものの、地震津波というとんでもない怪獣を邪魔にならないような人間ドラマを繰り広げながら描くまさしくディザスター映画の王道を行く映画だろう。できれば4DXで見たい作品だがどうやらやっていないらしい、実に残念だ。