頭の中の感想置き場

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【2015年ベストテン&ワーストテン企画】2015年映画サントラベストテン

2015年ベストテン&ワーストテン企画第3弾は2015年サントラベストテンです。自分は映画サントラ(特にスコアサントラ)が大好きで、映画を見る前に先にサントラをYou Tubeで聞く、または購入して聞いてしまうほどのスコアサントラジャンキー(自称)です。でも音楽的にどうとか、ここはこのシーンに使われていてとかはそこまで詳しくはないのであまり大したことは言えなかったりするのですがね…そんなにわかなのかガチなのか分からない自分が選んだスコアスコアをランキングにして発表していきたいと思います。

 

まず今回のベストテンのレギュレーションについてですが、この条件を満たした映画サントラでベストテン決めたいと思います。

  • 2015年1月から2015年12月に劇場公開された映画のサントラ
  • 2015年1月から2015年12月に発売されたディスクスルー映画のサントラ
  • 2015年1月から2015年12月に配信されたNetflixで配信されたNetflix製作の映画のサントラ
 
またサントラベストテンでは更に以下のルールを適用します。
  • 劇伴、スコアのみを対象とする。
  • コンピレーションアルバムや、歌物は含めない(例: はじまりのうた)
  • 映画自体を鑑賞していなくても、サントラをきちんと聞いている場合はランキングに含めることができる。
  • スコアを聞いた媒体は問わない。

 

ちなみに今回のサントラベストテンでは65作品が選考対象となりました。それでは第10位から発表していきたいと思います。

 

 

第10位:バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(アントニオ・サンチェス) 

 

Birdman

Birdman

 

 

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今作のスコアはサントラだけでは意味をなさないスコアだ。ジャズドラマーのアントニオ・サンチェスによるドラム・ソロのみで構成されたスコアは、ただドラムを叩いているだけの曲とも呼んでいいのか分からないものにしか聞こえない。だがドラムから放たれるリズムによって、今作にイキイキとした躍動感と独特なテンポ感を生まれるという意義のあるスコアだ。映画芸術科学アカデミーから音楽的でないとしてアカデミー作曲賞対象から外されてしまったが、間違いなくその年を代表するスコアの一つだ。

 

第9位:チャッピー(ハンス・ジマー&スティーヴ・マザロ&アンドリュー・コウジンスキー)

 

Chappie

Chappie

 

 

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ギャングとの抗争が絶えない南アフリカで生まれた人工知能を持った警察官ロボットのチャッピーを巡る物語を彩るスコアはハンス・ジマーとその仲間(スティーヴ・マザロとアンドリュー・コウジンスキー)によるド直球のシンセスコアだ。無機質なサイバーパンクとかで使われそうな曲ばかりだが、まだまだ発展途上な南アフリカのロケーションに意外とマッチしている。他にもまだまだ幼いチャッピーらしいオルゴールっぽい可愛らしい音色を聞かせてくれるなどハンス・ジマーらしい作りこまれた良スコアだ。

 

第8位:ヒックとドラゴン2(ジョン・パウエル

 

How to Train Your Dragon 2 (Original Motion Picture Soundtrack)

How to Train Your Dragon 2 (Original Motion Picture Soundtrack)

 

 

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まず今作をサントラベストテンに入れることが出来て本当に嬉しい…ようやく鑑賞できたこともあるが、自分が本格的にスコアサントラに目覚めた作品の続編だからでもある。今作のスコアは前作から引き続きジョン・パウエルによるケルト風のダイナミックなスコアだ。冒頭では前作のスコアメドレーのような豪華なスコアを聞かせ、大きな運命に導かれていくヒックの姿ややっと再開した家族の絆を思い起こさせる美しいスコアの連続で心が震える。できれば劇場でその美しいスコアを聞きたかった。

 

第7位:アントマンクリストフ・ベック

 

Ant-Man

Ant-Man

 

 

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今作のスコアを担当したクリストフ・ベックは、どのスコアも軽くてあまり印象に残らないものばかりで実は苦手だった。だが今作のスコアはその軽さを逆手に取って明るくてコミカル、そしてスパイもののようなスリリングさを併せ持ったかっこいいメインテーマやスコアを聞かせ、MCUに新たな風を巻き起こす。ここまでいいスコアを聞かせてくれるとは恐れ入った。「アベンジャーズ」や「キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー」のテーマも使われているなど芸が細かい。

 

第6位: クリード チャンプを継ぐ男(ルートヴィッヒ・ヨーランソン)

 

Creed

Creed

 

 

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今作が素晴らしい傑作になった要因の一つにルートヴィッヒ・ヨーランソンによるスコアの素晴らしさが挙げられるだろう。誰もが聞いたことがあるビル・コンティ作曲のロッキーのテーマという偉大なメインテーマに怖気付くことなく、アドニスのテーマを立派に作り上げ、物語の過酷なトレーニングやクライマックスを彩る。そしてアドニスとロッキーの共闘を象徴するかのように二つのメインテーマが重なっていく…このスコアを聞いて泣かない人はいないだろう。彼の名前は今後要チェックだ。

 

第5位:スター・ウォーズ フォースの覚醒(ジョン・ウィリアムズ

 

スター・ウォーズ/フォースの覚醒 オリジナル・サウンドトラック(初回スリーブ仕様)

スター・ウォーズ/フォースの覚醒 オリジナル・サウンドトラック(初回スリーブ仕様)

 

 

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スター・ウォーズといえばもちろんジョン・ウィリアムズのスコアだ。誰もが知るメインテーマや帝国のマーチ、フォースのテーマも使われるがそれに頼り過ぎることはなく、レジスタンスのマーチやカイロ・レンのテーマなど新しいテーマが作中の様々な場面にシンクロしながら彩られていく。特に砂漠で孤独に過ごし、そこから大きく旅立つ主人公レイをイメージさせるレイのテーマは牧歌的で雄大で素晴らしい。こんなにフレッシュなスコアを今でも書き続けるジョン・ウィリアムズはやはりすごい。

 

第4位:インサイド・ヘッド (マイケル・ジアッキーノ)

 

インサイド・ヘッド オリジナル・サウンドトラック

インサイド・ヘッド オリジナル・サウンドトラック

 

 

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ピクサー作品も多く手がけるマイケル・ジアッキーノがまた新たな傑作を作り上げた。脳内にいる感情達を様々なアイディアや色とりどりな色彩で描く今作のスコアも、まるでおもちゃ箱をひっくり返したかのようなワクワク感に満ちている素晴らしいスコアだ。ピアノの音色が思い出ボールがぶつかり合う音のように聞こえ、ちょっとジャジーな雰囲気を持ったスコアや感動的で優しいスコアなどバラエティ豊かなスコアばかりで幸せな気分になること間違いなしだ。

 

第3位:コードネーム U.N.C.L.E.(ダニエル・ペンバートン)

 

Man from U.N.C.L.E

Man from U.N.C.L.E

 

 

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アメリカとソ連が冷戦中だった60年代を舞台にした今作のスコアもまた、昔懐かしい哀愁漂う陽気なスコアとなっている。かすれたフルートの音色やギター、パーカッションなどベーシックなものから、ツィンバリムやハープシコードの独特な音色まで駆使されながら映画をオシャレでノリノリに盛り上げる。今年一番オシャレでキャッチーなスコアだと言える。今作のスコアを担当したダニエル・ペンバートンのこれからの仕事ぶりに大いに期待したい(まずはダニー・ボイルの「スティーブ・ジョブズ」から)。

 

第2位:イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密(アレクサンドル・デスプラ

 

 

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昨年のアカデミー賞アレクサンドル・デスプラは今作と「グランド・ブダペスト・ホテル」がノミネートされ、最終的に「グランド・ブダペスト・ホテル」が受賞した。だが今作のスコアもとても完成度が高い。スコア全体の雰囲気はかなり重厚でサスペンスフルに展開されながらも、そのメロディや音色はとても美しく繊細で、アラン・チューリングの繊細でミステリアスな生涯を描く今作とすごく噛み合っている。この重厚さと美しさが自分がアレクサンドル・デスプラを愛してやまない理由かもしれない。

 

第1位:マッドマックス 怒りのデス・ロード(ジャンキーXL)

 

Mad Max: Fury Road (Original Motion Picture Soundtrack)

Mad Max: Fury Road (Original Motion Picture Soundtrack)

 

 

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今年映画館でそのスコアを聞けて良かったと思えた作品はこれだけかもしれない。ジャンキーXLのものすごい爆音で響き渡るパーカッションとエレキサウンドは迫力満点で、ストリングスとブラスのサウンドもまたとんでもない重厚なサウンドを響かせる。しかも劇中のアクションやチェイスなど全ての場面でのテンポ感がすごく噛み合っていて「バードマン」と同じく今作も映画内のリズムやテンポ感を際立たせる重要なスコアとも言える。今年はリズムとテンポについて考えさせられた1年かもしれない。

 

 

というわけで今年のサントラベストテンは以下のようになりました。

 

  1. マッドマックス 怒りのデス・ロード(ジャンキーXL)
  2. イミテーション・ゲームエニグマと天才数学者の秘密(アレクサンドル・デスプラ
  3. コードネーム U.N.C.L.E.(ダニエル・ペンバートン)
  4. インサイド・ヘッド(マイケル・ジアッキーノ)
  5. スター・ウォーズ フォースの覚醒(ジョン・ウィリアムズ
  6. クリード チャンプを継ぐ男(ルートヴィッヒ・ヨーランソン)
  7. アントマンクリストフ・ベック
  8. ヒックとドラゴン2(ジョン・パウエル
  9. チャッピー(ハンス・ジマー&スティーヴ・マザロ&アンドリュー・コウジンスキー)
  10. バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(アントニオ・サンチェス)

 

今年もいろいろサントラを聞きまくったのでこのランキングを作るのもかなり大変でしたね。ちなみに惜しくも選外になってしまった作品は以下の通りです。

 

 

こうして見てみると「ジュラシック・ワールド」や「ミッション:インポッシブル」などの人気シリーズのメインテーマも聞きつつ、新たな新作から新しくて時々斬新過ぎるスコアが生まれたりと新旧入り乱れたランキングとも言えるかもしれないです。あと「ファンタスティック・フォー」のマルコ・ベルトラミフィリップ・グラスや「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」のブライアン・タイラーダニー・エルフマン(前作のテーマを使っているのでアラン・シルヴェストリも)などサントラ好きにはたまらないコラボレーションもあってとても楽しい1年でしたね。

 

あとコンピレーションアルバムや歌物のサントラも素晴らしくて「はじまりのうた」、「セッション」、「心が叫びたがってるんだ。」、「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」、「ピッチ・パーフェクト1&2」など最高なサントラがたくさん聞けましたね。「セッション」に関してはジャスティン・ハーヴィッツのスコアだけ選考対象で、「Caravan」や「Whiplash」はその映画のために作られたスコアではないと判断して泣く泣く選考対象外としました。多分入れてたらランキングに入れていた…かも?

 

というわけで2015年映画サントラベストテンはここまでです。実は2015年ベストテン&ワーストテン企画はまだあと二つ残っていて、次回は2015年アニメベストテン&ワーストテンの予定です。いろいろ書きたい記事が山積みですがなるべく早く書きあげたいと思います。