発表!第88回アカデミー賞&予想結果
本日、第88回アカデミー賞発表されました!いつもならTwitterで結果速報を追いかけるのですが、今年は忙しくてリアルタイムでのお祭りに参加することが出来なかったのがちょっと悔しかったですね。
さて早速発表された受賞結果を振り返りつつ、予想結果との答え合わせと雑感をつらつらと書いていきたいと思います。
作品賞
アカデミー会員が予想に入れた「マッドマックス」みたいな娯楽大作を選ぶわけないよなぁとは思っていたものの、次点に入れた「レヴェナント」でもなく「スポットライト」が選ばれるとは…前哨戦の後半は「レヴェナント」や「マネー・ショート」に負けてしまうことが多かったものの、きちんと獲るべきところは獲ってきたということか。予想の時に「スポットライト」は勢いに陰りが見えるとか言っちゃっただけに自分の書いた文章がすごく恥ずかしい(笑)ただ、ジャーナリズムの責務と信念を描く今作が今年のアカデミー賞に選ばれた理由や意義についてはいろいろ考えてみるべきかもしれない。
監督賞
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(レヴェナント 蘇りし者)
監督賞は予想通りアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥが史上3人目となる2連覇を果たした。こうして見てみるとイニャリトゥは愛されているなと感じる。個人的にはジョージ・ミラーに獲ってほしかったがまぁしかたがない。でもジョージ・ミラーは世界中のウォー・ボーイズ達がV8ポーズで称えてくれるだろう。
レオナルド・ディカプリオ(レヴェナント 蘇りし者)
遂に世界中の映画ファン達が見たかった結果になった。自分の主演作が作品賞にノミネートされながらも自身はノミネートされなかったことや、ノミネートされた年に限って強大なライバル達によって何度も受賞を阻まれてきたレオナルド・ディカプリオが遂に念願の初受賞を果たした!!もうこれで受賞できなかったらどうしようかと思ったよ。もう本人も嬉しくてたまらないだろうなぁ…本当におめでとうと言いたい。これからは伸び伸びと俳優活動してほしいね。
主演女優賞
ブリー・ラーソン(ルーム)
主演女優賞は下馬評通りにブリー・ラーソンが受賞!候補となった「ルーム」は4月公開らしいですが、もう今すぐにでも彼女の演技を見てみたい!調べたら「21ジャンプストリート」とか出てたらしいけどなぜか記憶にない…見直さなきゃ。
マーク・ライランス(ブリッジ・オブ・スパイ)
助演男優賞はシルヴェスター・スタローンVSマーク・ライランスの一騎打ちだったが、結果はマーク・ライランスが受賞。スタローンに華を持たせてほしかったと思っていた世界中のファン達が落胆したことだろう。自分もこの結果を聞いた瞬間、かなり落ち込んだ。でもマーク・ライランスの演技がとてつもなく素晴らしいのもまた事実だったから、この結果には異議なし。春日太一さんが「結末が勝利ではないというのもスタローン=ロッキーらしいといえばらしい」とツイートされていたのが印象的だった。
助演女優賞も下馬評通りアリシア・ヴィキャンデルが受賞。「コードネーム U.N.C.L.E.」や「エクス・マキナ」など様々な映画に出ずっぱりで、どう考えても彼女の年だったからこの結果は嬉しいところ。これを機にまだ未公開の「エクス・マキナ」が公開されると嬉しいのだが… (※無事公開されました)
トーマス・マッカーシー、ジョシュ・シンガー(スポットライト 世紀のスクープ)
脚本賞も下馬評通りに「スポットライト」が受賞。というか「スポットライト」は脚本賞と作品賞の2部門しか獲ってないのよね。作品賞を受賞した作品でここまで受賞数が少ない映画はそうそうないのでは?
脚色賞
アダム・マッケイ、チャールズ・ランドルフ(マネー・ショート 華麗なる大逆転)
脚色賞も下馬評通りに「マネー・ショート」が受賞。アダム・マッケイは「アザー・ガイズ」の頃からリーマンショックを引き起こしたウォール街の悪事を描くことに注力し、今作の企画もずっと温めてきただけにとても嬉しいのではないだろうか。
長編アニメ映画賞
長編アニメ映画賞もやっぱり「インサイド・ヘッド」が受賞。さすがずっと盤石の強さを見せつけていただけはあるなと思う。それにしても日本のメディアはだいたいニュースのタイトルが「アカデミー賞「思い出のマーニー」受賞ならず」なんだけど、そういうの本当にやめてほしいなといつも思う。映画専門のメディアですらこのような自国のことだけ取り上げるタイトルでがっかりした。自国のことだけじゃなくてもっとアカデミー賞や映画に興味を持たせるような記事を書いてほしい。
短編アニメ映画賞
Bear Story (Historia De Un Oso)
短編アニメ映画賞はBear Storyが受賞。どうやらチリの映画らしいですね。短編アニメはなかなか見る機会がないので、どこかで上映とか配信されるといいのになぁ…
撮影賞
エマニュエル・ルベツキ(レヴェナント 蘇りし者)
エマニュエル・ルべツキが「ゼロ・グラビティ」、「バードマン」に続いて3年連続で受賞という快挙を達成!もはや敵なしといった感じである。でもそろそろロジャー・ディーキンスに受賞させてやってもいいんじゃないですかね?どうでしょうか?
編集賞
マーガレット・シクセル(マッドマックス 怒りのデス・ロード)
編集賞はジョージ・ミラーの奥さんでもあるマーガレット・シクセルが受賞。やはり膨大な量のアクションシーンを繋げた彼女の功績はデカいなと思う。ここからマッドマックス無双になります。
コリン・ギブソン、リサ・トンプソン(マッドマックス 怒りのデス・ロード)
美術賞も「マッドマックス」が受賞。あの世界観を作り上げた功績が称えられたということだろう。まだまだ「マッドマックス」旋風は続くよ!
衣装デザイン賞
ジェニー・ビーヴァン(マッドマックス 怒りのデス・ロード)
衣装デザイン賞も「マッドマックス」!衣装も世界観の構成に役立つ要素の一つだから納得だろう。「マッドマックス」の進撃は止まらない!
メイクアップ&ヘアスタイリング賞
レスリー・ヴァンダーウォルト、エルカ・ウォーデガ、ダミアン・マーティン(マッドマックス 怒りのデス・ロード)
メイクアップ&ヘアスタイリング賞も「マッドマックス」!ちなみに「登場人物みんなハゲばっかりだろ!」とか言われてたけど、実はそんなことないんだよとは言っておきたい。
視覚効果賞
アンドリュー・ホワイトハースト、ポール・ノリス、マーク・アーディングトン、サラ・ベネット(エクス・マキナ)
恐らく全部門中一番のサプライズはここかもしれない。視覚効果賞は「スター・ウォーズ」でも「マッドマックス」でもなく「エクス・マキナ」が受賞!それほどまでにこの作品が愛されているということか。しかも候補作中、一番予算が少ない映画だ(1500万ドル)。良い映画に予算の大きさは関係ないのかもしれない。さぁ早く「エクス・マキナ」を公開するんだ!!(※無事公開されました)
録音賞
クリス・ジェンキンス、グレッグ・ラドロフ、ベン・オスモ(マッドマックス 怒りのデス・ロード)
録音賞も「マッドマックス」が受賞!音関係でもマッドマックスのすごさが光っていたようだ。
音響編集賞
マーク・マンジーニ、デヴィッド・ホワイト(マッドマックス 怒りのデス・ロード)
音響効果賞も「マッドマックス」が受賞。これで「マッドマックス」は本年度最多6部門受賞という快挙を成しとけた。あと監督賞と作品賞さえあればV8になったのにね(笑)でもやっぱりすごいことには変わらない。
作曲賞
作曲賞は映画音楽作曲家のレジェンドであるエンニオ・モリコーネが受賞!実はこれが初受賞なんだとか。作曲賞はなぜか新しい人材とか風変りなスコアを好む傾向があるのでなかなか前線で活躍されている作曲家がノミネートや受賞ができないのがもっとなんとかしてほしいな。トーマス・ニューマンもずっとノミネート止まりだし、アラン・シルヴェストリなんでノミネートすらないとかちょっとおかしいよ!
歌曲賞
Writing's on the Wall(007 スペクター)
歌曲賞はサム・スミスVSレディー・ガガという目を引く対戦カードだったが、結果はサム・スミスのWriting's on the Wallが受賞した。やっぱりアカデミー会員的にはオールドでジャジーな007の主題歌の方が好きなのかもしれない。
外国語映画賞は「サウルの息子」が受賞!アウシュビッツのゾンダーコマンドを描く今作は相当辛い内容らしいが、地元ではまだ公開されていないので早く見たい!
短編映画賞
Stutterer
すいません、短編映画賞はよく分かりません。
AMY エイミー
長編ドキュメンタリーは若くして亡くなった歌手、エイミー・ワインハウスを描くドキュメンタリー「AMY エイミー」が受賞。幅広い内容が描かれることが多いドキュメンタリーだが、ここ数年は音楽ものが強い気がする。
短編ドキュメンタリー賞
A Girl in the River: The Price of Forgiveness
すいません、短編ドキュメンタリー賞はよく分かりません。
如何でしたでしょうか?今年はエマニュエル・ルべツキの3連覇、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥの2連覇、「マッドマックス」の最多受賞などなど話題に事欠かさない結果である一方、今までの反動か分からないけれど「ホワイトオスカー」と揶揄されるノミネーションでいろいろ問題提起も起こった年だったと思います。でもそれを乗り越えて新たな映画を作り上げて称えるのがアカデミー賞でありアメリカ映画業界だと思うので来年も楽しみです。
ちなみに予想は24部門中17部門正解とそこそこ?な成績でした。せめて主要部門だけはパーフェクトとれるようになりたいのですがねぇ…精進します(笑)