頭の中の感想置き場

映画、アニメを中心に感想や想いを綴っていきます

2016年冬アニメ感想覚え書き

春アニメを楽しんでいるであろう皆さん、お気に入りのアニメは見つかりましたでしょうか?実は就活に集中するために今回春アニメを一切見ておりません。「ジョーカーゲーム」とかめちゃくちゃ気になっているんですけどねぇ…。

 

というわけで2016年冬アニメの感想をつらつらと書いていきたいと思います。いつも通りざっくりとした内容ですがよろしくお願いします。ちなみに今回から2クールアニメに関しては終了したクールで感想を書くことにしています。 それではスタート!

 

 

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ

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身寄りもなく周囲から蔑まれてきた少年兵達と火星の独立を求めるお嬢様が大きな戦いの渦中に突入していくガンダムシリーズ最新作。少年兵とお嬢様の目を通じて支配と搾取によって成り立つ社会と戦争を描き出す手腕が見事だ。そんな世界で彼らなりの戦い方と結束力で戦争の中心となっていく姿はヒロイックで、冒頭付近はキャラデザインもあって「天元突破グレンラガン」を思い出した。だが少年達はどこか少年故の無鉄砲さが破滅の匂いを漂わせ、お嬢様は世界の現実を知り戦場の乙女として崇められる…ただのドンパチに終わらない深いテーマが世界観からも彼らの言動からにじみ出る。もちろんロボットアクションも素晴らしくさすがガンダムシリーズだ。

 

無彩限のファントム・ワールド

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ファントム退治を専門とする部活動「脳機能エラー対策室」で奮闘する個性的なメンバー達の活躍を描く。内容だけ聞くとよくあるラノベアニメに見えるが、京都アニメーション制作だけあって細かい描き込みが尋常ではない。アクションシーンでの作画が素晴らしいのはもちろん、アニメ的快感に優れたキャラクターの描き方など見応えありで他のアニメとの違いを見せつける。またリンボーダンスでの胸の揺れ方やお尻に筆を入れるなど妙にフェティッシュでマニアックなエロ描写も他にはない魅力だ。ただストーリーに関しては、よくあるラノベアニメ以上のものを得ることがなかったかな…それでも十分異彩を放っているとは思うのだが。

 

GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり (第2クール)

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自衛隊が突如として現れたゲートの先にある異世界に進軍し、異世界の民との交流や敵対勢力と戦っていく姿を描く。第2クールでは炎竜退治や魔導士の学会発表など異世界らしいイベントを描きつつ、帝国の政治的駆け引きや内乱が物語のメインとなっていく。前期でも日本政府の政治的駆け引きが描かれていたが、今回は異世界側の内乱がメインなのでなかなか見ることのできな話の転がり方をしていて面白い。そして「戦国自衛隊」のような異世界で自衛隊が活躍していくという面白味が前期よりも存分に発揮されていると感じた。ただラスト付近は駆け足気味だった印象も…もっと溜飲の下がるような結末でもよかったかもしれない。

 

ハルチカ ~ハルタとチカは青春する~

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吹奏楽部に入部した幼馴染2人組が様々な問題や悩みを解決しながら部員確保とコンクール出場を目指す青春ミステリー。キャラクターデザインなど愛くるしく、声優陣の演技もあってとても楽しい部活ライフを感じさせてくれたのだが、部活としての頑張りとミステリーの描き方が上手く調和していないのがモヤモヤする。いつの間にかバンドは成長しているし、ミステリーの描き方も浮世離れしたものが多くテンポが悪い。総じてせっかく魅力的なキャラクター達がいるのにあまり生かし切れてない印象を受けてしまった。演奏シーンも「響け!ユーフォニアム」と比べてしまうと…どうもね。

 

僕だけがいない街

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リバイバルというタイムスリップ能力をもった青年が少年時代に起こった同級生の失踪事件を解決するために奔走する姿を描く。ミステリーとして次が気になってしょうがない構成、冷たい空気感と幻想的な情景が同居する世界観、うだつの上がらない青年のヒーロー的成長ぶりなどとても丁寧に作られていて唸らされる。オープニングやエンディングも世界観にあった素晴らしい曲選だし、梶浦由記のスコアもしっかりと作品の雰囲気を作り出していたと思う。また俳優による演技も味わい深く、特に土屋太鳳の少年声はとてもハマっていた。

 

Dimension W

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新エネルギーによるコイルによってエネルギーシステムが確立した近未来で不正コイルを回収する男と謎アンドロイドの活躍を描くSFアニメ。近未来SFかと思いきやどこかノスタルジーを感じるサイバーパンクな雰囲気は好きな人にとってはたまらない。またストーリーも1クール内でよくまとまっているし、主人公二人のコンビ感も絶妙で面白い。そして特筆すべきはヒロインであるミラの描き方だ。言動や表情、仕草のかわいさにかなりのこだわりが感じられ、上田麗奈の演技も合わさって2016年冬アニメ随一のかわいらしさを持つヒロインになっていると感じた。

 

赤髪の白雪姫 2ndシーズン

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赤い髪がトレードマークの少女がある一国の王子と出会い自分で運命を切り開いていく姿を描く。前期と同様に自分で運命を切り開いていく白雪とゼン王子との恋という少女漫画とおとぎ話の王道を行く展開を照れずにやっていて見ていてすがすがしい。また他のサブキャラクターの想いや人となりが分かるエピソードもあって深みが更に増している(特にラジ王子!)。あとは白雪の誘拐エピソードはかなり緊張感もあって面白さが倍増していたと思った。それにしても最終話は…ニヤニヤが止まりませんでしたな。これからも二人の活躍を応援していたいと思えるいいラストだった。

 

ルパン三世

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世界を股にかけるルパン三世がイタリアを舞台に様々な事件を巻き起こす30年ぶりTVシリーズ最新作。アニメ全体のクオリティで言えば今期間違いなく1番だと断言できるほどの洗練された完成度を誇っていると思う。しかも過去の焼回しではなく現代的なアップデートがなされているのだ。毎話毎話バラエティ豊かな騙し合いと人情味溢れるストーリー、3DCGに多くを頼らないセルアニメらしい渋みのある作画、渋くてオシャレな音楽とセリフ回し、魅力的な新キャラクター達…どの一面を切り取っても息を呑む素晴らしさだ。テレビスペシャルと「ルパン三世 カリオストロの城」ぐらいしか見たことない自分にとって改めてルパン三世の魅力を気付かせてくれる作品だ。

 

ブブキ・ブランキ

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ブブキと呼ばれる武器を片手に巨人型兵器ブランキを巡る戦いに挑む少年少女達の姿を描く。とにかく世界観や設定などの説明などを軽くぶっ飛ばして(もちろん説明はされてはいるが)勢いよく話を進めていく少年漫画的ノリが魅力であり欠点でもある。正直全く持って話が頭に入ってこないけれどノリやビジュアルだけは見てて楽しい。特にアメリカチームのリーダーのハイテンションぶりはドツボにハマった(笑)。そして3DCGによるセルアニメ的表現も格段に進化しており、特にキャラクターの表情は「楽園追放 -Expelled from Paradise-」と同じぐらい素晴らしい。続編次第で評価が変わる予感がする1作。

 

おそ松さん

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見分けのつかない顔を持つおそ松くん達が大人になり、それぞれの個性を発揮しながらクズ童貞ニート生活を謳歌するナンセンスギャグアニメ。話によって出来不出来はあるものの、いろいろ際どいパロディやブラックジョーク、ナンセンスギャグ、クズエピソード満載で見る者を飽きさせない。また大人になり切れてない大人達がしょうもないことに全力で挑むどうしようもない姿がまぁ面白く、むしろ愛おしい。そんな姿に人は共感するし、愛してしまうのである。アクの強い個性をぶち込まれた六つ子の魅力や無駄に本気な作画など、本気でバカに徹している素晴らしいギャグアニメだ。ちなみにイヤミが主役の座をかけて開催したレース回がお気に入り。

 

デュラララ!!×2 結

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池袋の町で生活する変わった人々やカラーギャングやヤクザなど裏の世界の人々が複雑に絡み合う群像劇。まず壮大でカオスな前フリが収束していき、バラバラだったパズルのピースがハマっていく感覚が遂に最高潮を迎え、納得のいく収束を迎えたことを評価したい。そして一連の騒動には全て「愛」に収束していくのだなという部分がまた味わい深い。人と繋がることは昔に比べて簡単になったけれど、真の意味で愛や想いを知ることは容易くはない。愛があるが故に暴走し、傷つき、深く愛し合う…そんなテーマをここまで巧みに描かれているとは恐れ入った。とてもよくできたクライム群像劇だった。

 

灰と幻想のグリムガル

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かつて住んでいた世界の記憶を失い、突如異世界に飛ばされてしまった少年少女達の戦いの日常を描く。日々の生活や雑魚モンスター討伐だけで精一杯な等身大の少年少女達の姿が無敵の主人公が活躍するアニメが多い中で新鮮だ。そんな彼らが大きな困難に直面し、みんなで乗り越え、励まし合えるまでになる過程がぎこちない会話などから丁寧に描かれていて見事だ。幻想的な風景やキャラクターデザインもとてもよい。ただ劇中の挿入歌は自己主張が激しく肝心の感動が薄まっていく。せっかくアニメでは珍しいフィルムスコアリングを採用しているのに勿体ない。もう少し抑えた演出が見てみたかった。

 

昭和元禄落語心中

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落語がまだ多くの庶民の娯楽であった時代に活躍した二人の落語家の想いと因縁を描く。生き方も考え方も違う二人の落語家は同じ師匠の元から旅立ち、お互いに尊敬し合い、時にはライバルとして渡り歩く。だがその関係性は二人が愛した女もろとも儚くも散ってしまう…そんな彼らの定められた呪いかのような運命に心が締め付けられる。そして声優陣の素晴らしい演技、細かい仕草まで徹底された落語シーンによって物語は更に彩りを増す…テレビアニメでここまで心が締め付けられる思いを味わったのは初めてだ。あと澁江夏奈によるジャズスコアも情緒的で時に皮肉な一面を見せる。エンディングの「かは、たれどき」の味わい深さは一生忘れられないだろう。

 

 

 

最終的に13本の冬アニメを完走することができました。就活も近いし自分と合わないと感じたらどんどん切っていこうと思っていたのですが、結局秋とほとんど同じ本数になってしまいました。その代わり内容の充実度は確実に上がったかなと思います。でも自分に合わないからといってどんどん切っていくのも何か勿体ないかなとも…

 

という訳で2016年冬アニメ感想覚え書きはここまでです。最後まで読んでくださりありがとうございました。